読書

『諦める力』を読んで気づいた大切なこと

諦めることは悪いことですか?

諦めたときに、ひどい挫折感を感じませんか?

諦めることは決して悪いことではなく、

本書は軌道を修正する意味合いを指南してくれます。

 

小さい頃の夢は何ですか?

・プロ野球選手になってホームランを打つ

・医者になって人を助ける

・お花屋さんになって綺麗な花に囲まれたい

・先生になって子供達を教えたい

・歌手になってみんなの前で歌いたい

 

では、今あなたは子供の頃になりたかった仕事についていますか?

あの頃の自分に「叶ったよ」と胸を張って言い切れますか?

かくいう私も子供の頃の夢は「お医者さん」でした。

人を癒すことはどんなに素晴らしく、お医者さんがカッコよく見えた幼少期でした。

 

ですが今私は、現場監督をしています。

どこでどう進路が変更されたのでしょうか?

 

子供の頃の夢に向かっていれば、私は医者になっているはずです。

なんで今の会社に入って、現場監督とい仕事をしているのでしょうか?

しかし、毎日が不満というわけでもありません。

年収も平均的よりは少し上、さらにはお客様にも喜ばれる仕事です。

ですが、医者ではありません。

おそらく子供の頃の夢が叶い、その職についている人は10%にも満たないと思います。

 

例えば、プロサッカー選手の夢が叶う確率は‥

日本は、競技者人口が約480万人(サッカー協会登録選手数、約90万人)

総人口が1億2000万人だとすると約4%となります。 その中でプロサッカー選手数は約1700人

協会登録選手数が90万人なので500人に1人がプロ選手になれる計算です。

プロサッカー選手になれる割合は、中規模の小学校で一人いるか、もしくはいない確率のほうが高いです。

プロサッカー選手でなくても、コーチ・スタッフ・運営

様々な形でサッカーに携わる職業につこうと思えば、裾野はひろがりますが、

第一の希望の「プロサッカー選手」はかなり狭き門です。

 

為末さん著書の「諦める力」はあらゆる場面で、立ち止まった時に自分が進むべき道を、

自分が納得いくという形で導いてくれます。

いくつかのトピックスと、私なりの考えを織り交ぜながら解説したいと思います。

「諦める力」為末大 著

 

「諦める」は「明らめる」

「諦める」という言葉はネガティブに使われることが多いですが、

語源を探ると「明らめる」つまりは、「あきらかにする」「つまびらかにする」というのが語源らしいです。

これは目から鱗です。

また「諦」という漢字は「さとり」の意味も含まれています。

どうでしょうか?

まずはネガティブなイメージを転換させて「あきらかになった」という言葉がくっついてくると、

心が少し穏やかになりませんか?

 

自分には向かなかったとあきらかになり、次の道が開けたと理解すれば、引っ掛かりも取れて前進できます。

2020年はコロナ渦にみまわれ、インターハイや高校野球さらにはオリンピックの延期など、

全てをそこに注ぎ込んだ人々は、諦めても諦めきれない状況に陥っていると思います。

ですが状況は、万人が同じです。もちろんスポーツだけではありません。

前に進むには「あきらかになった」ことを受け入れ、次に進む考え方。これが大切です。

 

諦めたくないから諦めた

幼少~小学校~中学校~高校~社会人

歳を重ねるごとに世界は広くなり、比べる対象も増えるとともに自分が一番でないとこを、実感します。

自分が一番でないことでその世界での限界を知り、方向転換や辞めてしまうことは、

「逃げた」「諦めた」の感情がついてきます。

 

ただ、ビジネスでも勉強でも勝つことが最終の目標とするならば、

「勝ちたいから、AでなくBを選んだ」と考えれば自分への納得感につながる。

 

野球で言えば、「150kmのストレートを投げて、誰よりも三振をとる」

これを変換すると、「最終的な目標はチームの優勝」もしかしたら、150kmのストレートは、

今後いくら練習しても無理かもしれない。

例え150km投げられたとしても、勝てる保証はどこにもない。

だとするならば、130kmのストレートの他に、変化球を追加でひとつ覚える。

結果的には選択肢が増えて、勝てる投手になるかもしれない。

そうやって、諦めと、選択をしていく。これが勝利への道筋になるのだ。

ここで言えば、150kmを投げられる可能性を減らしていく作業が「明らかにする」ということです。

 

第2章 やめることについて考えてみよう

「やればできる」「夢はかなう」「君には才能がある」

誰かに言われ、誰かに褒められ、誰かに約束する。

決して悪いことではないが、失敗に終わったときの喪失感がエグいですよね。

 

人生は有限であり、経験値は上がるが、物理的生産性はピークを境に落ち続けます。

この章では、アスリートのセカンドキャリアについて深追いしないほうが良いとありますが、

会社勤めの社会人も同じことですよね。

明日、会社がある保証なんてどこにもありません、リーマンショックやコロナで十分に知らしめられました。

そのためにも、軸足は会社でもいいですが、その他にも自己を磨くことが必要となってきます。

自己の実力値の上限を理解することも大切と、解説されてます。

全力でトライした時に初めて自分の限界がわかる。そこで納得した形で諦めもつく。

中途半端が一番のリスクであり、価値のない時間を過ごしてしまうことになります。

 

諦めのポイントを設定しておく

・3ヶ月後までに成績が残せなかったら

・この日までに目標タイムが出せなかったら

締め切りを設定すれば、より後腐れなくすっぱりと違う分野に移行できます。

目標設定も大切ですね。

 

自分にとっての幸福とは何か?

高倉健さんは、ヤクザ映画の大スターですが、ある日観客の反応をみて、違和感を覚え

このままでは、自分の俳優人生にとってマイナスなのでないかと考えヤクザ映画を辞めたのでは?推測されています。

なるほどと。例えば、渥美清と言えば「寅さん」のイメージが定着していますが、

推測ですが、渥美清さんはもっと違う役もやりたかっただろうし、

自分だったら、俳優を少し離れて、違い世界のことも体験してみたいと思う。

私の人生は「寅さん」を演じ切った。おしまい。

人々に幸せと届ける職業としては、なんの反論もありません。本当に素晴らしい役者さんです。

ですが、それで本当に満足していたのでしょうか?

ウォーキングデッドの主人公リック役の役者さんもイメージがつきすぎるとして降板しています。

「将来のことまでよく考えている」

「有限の人生を納得がいくように生きている」

と考えれば当然の選択だと思います。

 

おわりに

子供の頃は純粋無垢で、万能感もあり、なんにでもなれると思い込みます。

水の呼吸だってカメハメ波だって修行すれば、いつかはできるのでは?

毎日が楽しく、好奇心があるものに素直に没頭します。

ですが、徐々に気付きます。空は飛べないし、目からビームも出ない。

だけど、あの頃夢中になっていた感覚は、どの方向に向かった時でも無くしたくないですよね。

自分が楽しく、そして最終的なゴールはなんなのか?

途中で変わってもいいんです。むしろ固執するほうが視野が狭くなります。

これかも前向きに、諦める。いい本でした。


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